三つ葉のクローバー
眠気眼を擦りながら、そんなことを思っているとドタドタと走って来た3歳の男の子2人がテーブルの玉子焼きをつまみ食いした。
「るかぁ!おはよー!」
「おはよー!」
「こらっ!奏汰(かなた)っ!耀(ひかる)っ!顔洗ってきなさい!」
「へーい」と仲良しな2人は走って洗面所まで行ってしまった。
今日も朝から賑やかに始まろうとしている。
「郁未、臭いから寄らないでよ」
セーラーの服をした小春は中学2年生の思春期で、チャラチャラしている郁未をいつも毛嫌いしている。
「あぁ?いい匂いだっ!小春(こはる)のばーか!」
「バカってなによ!あんたのおつむより天才な自信あるけど?」
「あぁん?やんのかオラ」
「なりぞこないのヤンキーなんて怖くないでーす」
「表でろや」
「いいわよ」
毎朝恒例のような2人の痴話喧嘩が響く中、コーヒーの苦い香りが部屋に香る。