吸血鬼な王子様
プロローグ
「お前の血がほしい――――」
彼が、口元を真っ赤にして笑っている。
「なあ、茉奈。わかってくれよ。俺はお前の血がほしいんだ。血が欲しいんだよ――」
不気味に笑う目の前の“彼氏”が、私の肩をガシリと掴んだ。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
純粋で優しくて幸せにしてくれる彼氏だったのに。
あんなに愛しあったのに。
もう、あなたを愛せない。
ごめんなさい。