吸血鬼な王子様
中に入ると、まず私は部屋を見回す。
きれいに整頓された部屋だった。
シングルベッド。図書館にありそうな大きい本棚。木製の机。テレビ、CDコンポ……。
男子高校生らしい部屋だった。
「ほら、茉奈ちゃん。キョロキョロしてないで、座ったら?」
聖太くんはそう言うと、ベッドを指差す。
私はそのベッドにダイブしてうつぶせになる。
ふー、いい匂い。聖太くんの匂いだ…。
「飲み物持ってくるよ」
聖太くんはそう言うと、部屋を出て行く。
「うん。わかったー」
優しいな。