吸血鬼な王子様
やがて質問のお題がなくなり、沈黙が訪れる。
「……」
「……」
き、気まずい。
話すことがなくなったら結構気まずいね、二人きりって。
沈黙を破ったのは聖太くんだった。
「あのさ、」
「ん?」
「茉奈ちゃんって、まだ『未体験』?」
「………ま、まあ」
「そっか」
再び訪れる沈黙。
その時、私はベッドに押し倒された。
「え、何!?」
目の前に彼のちっちゃくて鼻筋の通った顔がある。
「じゃ、しよっか」
「え、ちょっとま、」
その日、私ははじめて彼の温もりを感じた。