吸血鬼な王子様
授業中、斜め前の席に座る聖太くんを遠目に見る。
ノートにペンを必死に走らせているけど、目が真っ赤でちょっと眠そうな聖太くん。
お、頑張ってる。
頑張れ聖太くん。――と、思った時だった。
――彼の顔がこちらを向いた。
あ、気づかれた。と思ったけど、すぐに異変に気づいた。
彼の口元が真っ赤になってるんだ。
口元に大量の赤い絵の具を塗りたくったような。血を大量に飲んだあとの吸血鬼みたいだ。
「……?」
充血した目。真っ赤な口。
何かおかしい。どうしたんだろう。