吸血鬼な王子様
なにこれ…。
「聖太くん?」
聖太くんはどこにいるの?
部屋が真っ暗なせいでどこにいるのかわからない。
その時、背後で声がした。
「――――――茉奈ちゃん」
振り返ると、出入り口のところに聖太くんが立っていた。
口を真っ赤にして、目を充血させて、服を真っ赤に染めて…。
「ねえ、聖太くん。最近どうしたの? 変だよ」
「変……?」
「何か、聖太くんが聖太くんじゃない」
「そっか」
その瞬間、視界の端で何かがキラリと光るのが見えた。
「――――っ」
キラリと光るそれを見ると同時に、全身に鳥肌が立った。
スタンガンだった。
聖太くんがスタンガンを持っていた。
「茉奈ちゃん、ごめんね――――」
お腹にスタンガンを押し当てられる。
バチバチバチ。
衝撃が全身を走った。
「うっ…」
衝撃に耐え切れず、私はその場で意識を失った。