吸血鬼な王子様
ギィッ。
部屋のドアが開かれた。
「あ、目覚めた?」
聖太くんだった。
「…ねえ、なんなのこれ!? やめてよ! お願い!」
必死に動くけど、キツく縛られているのか、ロープは簡単に解けない。
「残念。いくらもがいたって、叫んだって、助けは来ないよ。開放してあげないよ」
「なんでこんなことするの…!?」
「なんでこんなことするかって? うーん…。――趣味?」
おかしい。おかしいよ…。
あんなに優しかったのに…。