吸血鬼な王子様
「俺は中学一年生の頃から女を殺す、っていう趣味を持っててさ。茉奈ちゃんが記念すべき40人目」
「40人?」
「殺した人数が40人」
ありえない桁だった。
「こんなことして何のためになるの? 犯罪者だよ! 人殺しだよ!」
「しょうがないでしょ、俺は絵本とかに出てくるような吸血鬼だから」
キュウケツキ…?
「ふざけないで」
「ふざけてないよ。俺は、女の血を飲んで生きる吸血鬼。信じられないかもしんないけど、牙だってあるんだぜ」
キバ…?
「ほら」
聖太くんはそう言うと、口を大きく開ける。
「――――っ!」
ありえなかった。
だって、本当に聖太くんの口元に、牙が生えていたんだ。