吸血鬼な王子様
「信じてくれた? 俺は吸血鬼だ――。そして今宵、俺は愛する君の血を頂く」
「やめて!!」
涙が止まらない。
「お前の血がほしい。なあ、茉奈。わかってくれよ。俺はお前の血がほしいんだ。血が欲しいんだよ――」
不気味に笑う目の前の“彼氏”が、私の肩をガシリと掴んだ。
聖太くんは牙を向いた自分の口を、私の首元に突き立てる。
「さようなら―――」
痛みが、全身を走った。
ゆっくりと、大量の血が流れ出ていく感覚があった。
あ、あ……。
お願い、やめて…。
痛いよ…。
聖、太……。
しばらくして、私は短い人生を終えたのだった――――。