吸血鬼な王子様
握手を求められているんだろう。私はその手を握って握手した。
「よろしく」
「よろしく! 今日から『茉奈ちゃん』って呼んでいい?」
「別にいいけど、」
「その代わり、茉奈ちゃんも俺のこと『聖太くん』って呼んで?」
「うん」
男の子の名前を下の名前で呼ぶのは少し恥ずかしいけど、まあいいか。
「じゃ、今日から俺たち『友達』ってことで。じゃ、また!」
手をヒラヒラと振って、彼は図書室を出て行った。