不器用なふたり
「おい、佐藤。プレゼンの資料できたか?」
「あ、すみません。あともう少しです。」
「14時からプレゼンなんだぞ?ため息ついてる暇があったら、とっとと仕事しろよ。」
できないやつは、できるやつにこき使われる。商社は、そんなマウンティング社会。
もっともっと、会社の中核を担うような仕事がしたくて選んだ総合職という立場なのに。
語学力もなければ、学歴も大したことのない私は最初から期待されてなかったみたい。
入社時からマウンティングにすら参加させてもらえなかったようでずっと、こんな風に一般職と同じ事務職ばかり押し付けられる始末で。
なんだか、『私は必要とされてない』って感じて自分が嫌になる。