戸惑う暇もないくらい
不安と独占欲
「はーちゃんただいま!!」
「…おかえり」
いつものように仕事を終え、帰宅してドアを開けた瞬間、那智が満面の笑みで飛び込んで来た。
力一杯抱き締められて身動きが取れない。
ふわりと鼻に香った那智の匂いに図らずもほっとしてしまった。
「…那智、動けない」
「だって1日ぶりのはーちゃんの感触を確かめないと」
「何も変わってないから」
「ほんとかなー?」
そう言って首元に顔を埋めてくん、と匂いを嗅ごうとする那智を慌てて力の限り引き離す。
「ちょっと、臭うから止めて」
「えー、はーちゃんいい匂いだし」
「汗かいてるのにそんなわけないでしょ!離れなさい」
「汗かいてるからいいのにー」
「那智の変態」
「はーちゃん限定だから」
全く悪びれない那智を追い抜くようにリビングに入った。
こんなくだらないやり取りができることにほっとするなんて、私も随分那智に引きずられていると思う。
「那智は何時頃に帰ったの?」
「15時過ぎには帰ったよ。時間あったから今日のメニューは煮込みハンバーグです!」
「いい匂い。…昨日レトルトだったから嬉しい。ありがと」
那智も疲れているはずなのにご飯まで用意してくれるなんて。
向き合ってそう伝えると那智は嬉しそうに笑ってまた私を抱き締めた。
「あーやっぱり本物のはーちゃんが一番可愛い!!」
「何言ってるの」
「電話じゃ全然足りない。…はーちゃん」
抱き締めた腕を緩めて那智が至近距離で私の顔を覗き込む。
真剣な眼差しに思わず心臓が跳ねた。
たった一日しか離れてないのに。
そう思うのに鼓動は早くなって、那智の深い茶色の瞳に吸い込まれるように目を閉じると、温かくて柔らかい唇が重なった。
「ん…」
優しく何度も啄むような口づけにたまらない気持ちになる。
腰に回った手が身体をぐっと引き寄せるように力が入り、その瞬間那智の舌が割り入ってきて口づけは一気に深いものになった。
奥深くで絡んだ舌にぞわっとした感覚が背中を駆け上る。
「んん…っ」
「は…」
これ以上されると完全にスイッチが入ってしまう。
抱き締められる腕の中で、那智にストップの意思表示をするのに胸に手を突こうと試みるも、その動きを察知したようにさらに那智の口内での動きが激しくなった。
頭がくらりとするような激しいキスに段々と身体の力が抜けていく。
完全に身体は熱が灯され、後頭部に回った手の指が首筋を擦るだけでびくりと大きく身体が跳ねるまでに感度を上げられていた。
こうなると完全に那智のペースだ。
私はお手上げだというように抵抗を諦めて那智の口づけを受け入れ、それに必死に応えるしかなかった。
「…おかえり」
いつものように仕事を終え、帰宅してドアを開けた瞬間、那智が満面の笑みで飛び込んで来た。
力一杯抱き締められて身動きが取れない。
ふわりと鼻に香った那智の匂いに図らずもほっとしてしまった。
「…那智、動けない」
「だって1日ぶりのはーちゃんの感触を確かめないと」
「何も変わってないから」
「ほんとかなー?」
そう言って首元に顔を埋めてくん、と匂いを嗅ごうとする那智を慌てて力の限り引き離す。
「ちょっと、臭うから止めて」
「えー、はーちゃんいい匂いだし」
「汗かいてるのにそんなわけないでしょ!離れなさい」
「汗かいてるからいいのにー」
「那智の変態」
「はーちゃん限定だから」
全く悪びれない那智を追い抜くようにリビングに入った。
こんなくだらないやり取りができることにほっとするなんて、私も随分那智に引きずられていると思う。
「那智は何時頃に帰ったの?」
「15時過ぎには帰ったよ。時間あったから今日のメニューは煮込みハンバーグです!」
「いい匂い。…昨日レトルトだったから嬉しい。ありがと」
那智も疲れているはずなのにご飯まで用意してくれるなんて。
向き合ってそう伝えると那智は嬉しそうに笑ってまた私を抱き締めた。
「あーやっぱり本物のはーちゃんが一番可愛い!!」
「何言ってるの」
「電話じゃ全然足りない。…はーちゃん」
抱き締めた腕を緩めて那智が至近距離で私の顔を覗き込む。
真剣な眼差しに思わず心臓が跳ねた。
たった一日しか離れてないのに。
そう思うのに鼓動は早くなって、那智の深い茶色の瞳に吸い込まれるように目を閉じると、温かくて柔らかい唇が重なった。
「ん…」
優しく何度も啄むような口づけにたまらない気持ちになる。
腰に回った手が身体をぐっと引き寄せるように力が入り、その瞬間那智の舌が割り入ってきて口づけは一気に深いものになった。
奥深くで絡んだ舌にぞわっとした感覚が背中を駆け上る。
「んん…っ」
「は…」
これ以上されると完全にスイッチが入ってしまう。
抱き締められる腕の中で、那智にストップの意思表示をするのに胸に手を突こうと試みるも、その動きを察知したようにさらに那智の口内での動きが激しくなった。
頭がくらりとするような激しいキスに段々と身体の力が抜けていく。
完全に身体は熱が灯され、後頭部に回った手の指が首筋を擦るだけでびくりと大きく身体が跳ねるまでに感度を上げられていた。
こうなると完全に那智のペースだ。
私はお手上げだというように抵抗を諦めて那智の口づけを受け入れ、それに必死に応えるしかなかった。