強引年下ピアニストと恋するカクテル。

「今日は水にしとけば良かったですね」
たった一杯で酔ってしまい、愚痴っぽくなった私に、副店長が水を差しだす。
「……私にピアノの先生なんて向いてなかったのかな。あの人みたいな才能も何も」
「おい」
「ひっ出たっ」

いつの間に演奏が終わってたんだろう。
そしてなぜこの人は私を睨みつけてるの。

「っち。ほら、外行くぞ」
「え、遠慮しますけど」
「は!?」

睨み殺されそうな雰囲気に、ちらりと副店長を見る。
けれど、楽しそうににこにこと笑っているだけで助けてくれそうではない。

「駅のライトアップは大変綺麗ですよ。その分人が多いので酔ってる貴方一人は危険かと思われます」
「なんで援護射撃してくるの!」

副店長に噛みついていると、彼は私の腕を掴み強引に立たせた。
「だ、そうだ。行くぞ」
私の意見なんて全く聞かないで、有無も言わさずに連行されてしまった。

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