強引年下ピアニストと恋するカクテル。
「あんたも俺が好きだろ?会えなくなるのが嫌なぐらい」
「そ、うだけど、でも恋人になりたいって気持ちはない」
身をよじりながらそう言うと、彼は不思議そうに首を傾げる。
「嘘だ。だったらそんな泣きだしそうな、それでいて目まで真っ赤な顔、しないだろ」
私の滲んでいく目元を指先でなぞる。
「だって世界ツアーなんて始まったら大変でしょ。会えなくなるどころか、きっと時差とかで電話さえ困難になるし、忙しい怜也君の邪魔になっちゃうし」
不安を吐露すると、目を丸くした後、怜也君の顔が破綻した。
「やべえ。そんな時差の事まで考えてくれてたとか、俺、実は超愛されてる?」
「ば、ばか。自意識過剰な所はやっぱ嫌い!」
「くくっ嫌いでも今はこうやって抱き締めさせてくれるんだからいい。今からもっと俺を好きになってよ」
「じ、自意識過剰すぎっ」