御曹司と幼馴染の彼女ー天然娘がオチるまでー

「専務、お疲れ様です。社内で小耳に挟んだのですが庶務課の泉と結婚なさるとか。本当ですか?」


そう聞いてきた彼女は噂によると受付勤務の女子社員だった。

森谷さんいわく受付でいい男さがしをする先輩とは彼女だろう。
見た感じからして肉食系だ。


「事実だがそれが何か?」


冷めた無表情でサクッと返すと


「そうなんですか?専務ならもっといい所のご令嬢とかいたでしょうに何故ですか?」



遠まわしに俺の麻里花を侮辱した。


「素直で可愛らしく何事にも懸命に取り組む姿勢と他者に対する思いやりの心があるからだ。」


「それ以上俺の麻里花を侮辱するような発言は控える事だな。」


そう冷めた声と表情で淡々と告げる


少しくやしそうに唇を噛んだ彼女は1階に着くと


「申し訳ありませんでした。もう言いません。お疲れ様でした。先に失礼致します。」


そう頭を下げて降りていった。


明日には引越しと入籍を済ませるつもりだが今後少し目を光らせなきゃならなさそうだ。


俺と麻里花の結婚を少なからず羨み嫉む女子社員がいるだろう事は理解していたが。


麻里花は特に何も無かっただろうか?

帰りがてら聞かなくては。

そう決意して地下駐車場へ降り立った。

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