御曹司と幼馴染の彼女ー天然娘がオチるまでー
そんな事があった帰り、彩人くんの車で帰る為に地下駐車場に行くべくエレベーターに乗った。

先に乗っていたのは秘書課の美月さんだった。


「あ、麻里花ちゃんお疲れ様。やだ、なんかちょっと疲れてる?それとも専務関係で何か言われたりした?」


「お疲れ様です、美月さん。え?そんな顔に出てますか?大したことはありませんから大丈夫ですよ。ご心配下さってありがとうございます。」

そう言ってにっこり返すと美月さんはじーっと私の顔を見て考え込んでいる。


「庶務課は女の園だからね、何かあれば専務に相談なさい。直ぐに対処してくれるだろうし、言いずらいなら総務部長や庶務課課長に言うといいわ。いい大人が何かするならそれ相応の報いがあるもんよ。」


そうサラッという美月さん。
美月さんはホントにサッパリしていてカッコイイ。
尊敬できる先輩だ。
仕事もよく出来ると悠斗兄さんも言ってたしな。

「ありがとうございます。何かあればそれ相応の所に相談しますよ。やっかみくらいは覚悟してたんで大丈夫です。」


「はぁ、いい大人がなんか言ったのね。見てたら麻里花ちゃんってより専務がゾッコンなのは分かるはずなのにねぇ。」

ため息ついて呟く美月さん。
憂い顔も美人さんだとなかなかの威力。

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