強引同期に愛されまして。
「へ、平日は仕事あるもん。そんな頻繁にいけないわよ」
「荷物もってきて住めばいいだろうが」
「女の荷物の多さを理解してないでしょう、アンタ」
「ああもう、いい。今から行くからな」
電話は私の返事を待たずにプツリと切られる。
待って待って状況が分かりませんが。
マジで? 来るの? 今から?
面倒……という気持ちもないではないけど。それ以上にちょっと嬉しかった。
だって正直に言えば不貞腐れてたもん。そりゃ会社で顔は見ているけど、そういうのじゃない、プライベートな姿が見たかったというか。
でもそこで、ハタと自分の現状に気付く。
「さすがに……これは見せられないか」
テーブルの上に広がる、とてもおいしそうとは言えない食事。
ないわ。女として終わってる。
慌てて何か作れないかと冷凍庫を漁る。
冷凍のお肉があるし、根菜類は多めにある。
カレーか肉じゃがならできるそうだけど、カレーは辛さの好みがわからないから肉じゃがかな。
慌てて料理をしながら、……私にもまだ女っぽい部分が残っていたんだなぁなんてしみじみ思う。
どんな反応が来るのか、期待しながら料理を作るなんて、本当に久しぶりで、楽しいか楽しくないかと聞かれればやっぱり楽しい。
自然に鼻歌を口ずさんでいて、そんな自分に気づくと恥ずかしくなっちゃう。