強引同期に愛されまして。
「はい、三浦さん、どうぞ」
「ああ、ありがと」
次々とつがれるお酒を、考え事をしつつ飲んでいたからってのもある。
いつの間にか、私は飲みすぎていたのだろう。気が付いた時には、周りの景色がぐにゃりとつぶれて見えていた。
和賀さんが数人いる。そして世界はなんとなく回転しているようだ。
ああ……。こんな酔い方、学生時代以来だな。
体が重たくて人の声が遠い。
もう、眠たいなぁ。最近仕事が忙しくて疲れてたしなぁ。寝ちゃおうかなぁ。
「あれ、三浦つぶれたのか?」
「どうしましょう、洋斗さん。私、こんな三浦さん初めてです」
「でも仕方ないじゃん。三浦んちわかるやついる?」
人の声がする。私、迷惑かけてるのか?
適当にタクシーに乗せてちょうだい。
住所言えば今時ちゃんと連れてってくれるわよ。
そう言ってるつもりだけど、周りの人が全く反応しないところを見ると、私の口は動いていないようだ。
体を起こして注意を引こうかなと思うけど、動きたくないほど腕も頭も重たい。重力に逆らうのってこんなに面倒くさかったかな。
「え? お前も酔ってるじゃん。大丈夫か?」
永屋くんの声がする。
良かったね、可愛いところを好きって言ってくれるような女の子と出会えて。
きっとうまくいくよ。
要領いい癖に決まった恋人ができないアンタのこと、ひそかに心配してたんだぞ。