君と3日だけ、恋をした…。
タイトル未編集
「笑子ちゃん、秦華ちゃんをお願いね」

「分かりました。はるちゃん、おいで」

「笑子おねぇちゃん。お母さん、どこにいっちゃうの??」

「…んー、そうだね。まだ、分からないけれどもし、なにかあったらお空かな」

「お空?そうなんだ」

「うん」


まだ小学生にもなっていない小さな子を置いて、空に消えてしまう母親の気持ちってどんなのだろう。

あたしには分からない。

でも、もしあたしが空に消えてしまうときに、はるちゃんのお母さんみたいに大切な人が1人でもいたら…。

いや、いないから考えない。


「…うわっ」


えっ?

─バタッ。


「痛っ…」

「笑子おねえちゃん、大丈夫??」

「え、あ、うん。はるちゃんは!?」

「秦華は大丈夫だよ」


よかった。

てか、病院で走るってどーなってんの?

顔、見てやる。


「ねぇ」


…綺麗な顔立ち。

美少年?


「ごめんっ。急いでて、怪我とかしてない?」

「あたしたちは大丈夫。でも、急いでるからって走るのはやめてほしい。こんなに小さな子だっているんだよ?」

「ごめん、今から気をつけるから」

「なら、いいよ。急いでるなら行ったら?」

「あっ、うん。ありがとう!」


あ、また走ってる。

なにが、今から気をつけるだよ。

嘘つきじゃん。


「はるちゃん、本読みに行こっか」

「うん!」
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