葵い思い出は転がった
涙が出ました




独りぼっちだった、


ずっと。





誰かに話しても心の穴は

空いたまんま。


閉じたりなんかしなくてただ

ただ

虚しくなっていくだけ。

そんな私を無視して進む世界に諦め半分に手を伸ばす

でも心の中は本当は


見捨てないでって叫んでた。

まあ、言葉にすれば簡単に伝わるけど
しないんだから伝わるはずない。





それでも、誰かにこの手を掴んで欲しかった

誰かに隣にいて欲しかった



「ようこそ」


そう言われて行った場所は独りぼっちが集まった場所。


その場所はずっと独りぼっちが集まってて私なんかがとけ込めるはずない


そう思っていた。

それなのに、私はそんな酷いことを思っていたのにみんなは暖かくしてくれた。


いつの間にか世界には私の隣にみんな居て、皆が一緒に笑ってくれた

「どうして」




たった一言が聞けなかった

突き放されるのが怖くて




「友達だから。」



そう誰かが私に言った

心の中の氷が溶けて、想いが溢れ出していく

私はようやく皆と同じ場所に行けたのだ


春の香り漂う中

気付けば私の隣は人しかいなかった


冷たい機械も、荒波もなにも聞こえなくなるくらい皆がいて



皆が隣で笑ってた。


生きてて良かった


初めて思えた気持ちに逆らうように時間は足早に過ぎていく

まるで私をまた取り残すように。



「待って!一人にしないで、」


出た声は酷く震えて掠れて

自分ですら聞こえやしなかったのに


「大丈夫、私もいるよ」

時間が先行く中、皆は私と一緒にいてくれた。


限りある日々を必死で生きた

少しでも時間に抗えるよう



どこにも居場所の無かった私が唯一見つけた居場所だから。


「もう大丈夫、いってらっしゃい」

約束の時間になると、もう皆は歩き出していた


私も気付けば一緒に歩き出していた。





皆に皆が背中を押されて。
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