鎖骨を噛む
こんなモヤモヤする気持ちの中、健司と二人電気を消した部屋のベッドに並んで寝ていると、余計いろんなことを考えてしまって、寝れない。
でも、不思議なことに健司の前でグレーのスウェットに着替えるのは、恥ずかしくなかった。また、健司も私の下着姿を見ても、なんとも思っていないように見えた。ただ、健司にも同じグレーのスウェットを着替えるように勧めたけど、なぜか頑なに断ってきた。
わからない。ますますわからない。一体、健司の中での私ってどんな存在なのだろうか。そんなことを訊くなんてとてもできない。でも、訊かなきゃわからない。勇気の問題だ。訊くか、訊かないかじゃない。訊く勇気を奮い立たせることにだけ神経を注げばいい。そうだ! 勇気を出そう。このままモヤモヤしたままでいるより、すっきりとさせたい。たとえ付き合っていなくてもいい。私は……私は……独りじゃないって証が欲しいだけ。
「ねえ、健司。起きてる?」
「起きてるよ。」健司はそう答えて、私の方に寝返りを打った。
「どした? 眠れないの?」
「まあ、ちょっと気になってることがあって……。」
「気になること? 何?」