鎖骨を噛む
「好きな食べ物は、ぎょうざです。自分でも作ったりします。キッチンでぎょうざのあんを作って、あとは、机についてテレビを観ながら、皮で包む作業をします。いろんなお店でぎょうざを食べたりしますが、やっぱり自分で作ったぎょうざが一番だなあと思います。」
餃子かあ。私も好き! ニラがたくさん入ってる焼き餃子。よく冷凍の餃子を買って帰ることがある。でも、どうやってもフライパンが焦げ付いて、剥がす時に、皮がベリッと破けてしまう。焼き方のコツとか、あるのかな?
「好きな色は、黒です。私は、何色にも染まりたくない。染まりたくないから、何色にも敵わない黒という色が好きなんだと思います。」
黒は何色にも染まらないっていうのは、私は嘘だと思う。だって、真っ暗な空には、星が散りばめられている。その下では、スカイツリーを始めとする、たくさんの人間が作り出した光に満ちている。その光の一つ、一つは、家族のために頑張るサラリーマンの残業だったり、受験勉強を頑張る少年のデスクライトだったり、飛行機がぶつからないようにする、目印だったりする。その光一つ、一つに想いを馳せると、自分の部屋の光は、遠くからはどう見えているんだろうって思う。幻滅させないように頑張ろうって思うけど、何を頑張ればいいの? って気持ちになって、結局、カーテンを閉めて、電気を消して、夜景の一つから消える。