鎖骨を噛む
7 大人と子供の狭間で
朝起きの私が嫌い。
鏡の前で歯を磨きながら、自分の顔とご対面。髪の毛ボサボサで、瞼が重く垂れていて、唇がちょっと膨らんでて、この膨らみをちょっとしたの胸に乗り移ってくれないかな……。
にしても、なんでこんなにブサイクなんだろう。醜い。誰がこんな顔にしたんだろう。誰がこんな顔に生んだんだろう。
両親か……。恨みたいけど、恨めない。この世に生んでくれただけ、ここまで育ててくれただけで、充分なのだ。自立した今、私は一生をかけて恩返しをしなきゃいけない使命を課せられたわけだ。
「自立」は、自分で立つって書く。自分が立派とも書く。どっちの意味なのかはわかんないし、どっちでもいい。ってか、どうでもいい。
私の場合、「自立」と書いて、「こどく」と読ませた方が、ぴったりな気がする。