鎖骨を噛む
10 逆転支配
ムルソーさんが目を覚ましたのは、500mlのコーラを飲み干してから30分後のことだった。
「んっ……朝……じゃないか……。」
なんと呑気にも、彼は欠伸をしてみせたのである。これにはびっくり仰天。面食らってしまった。
「もっと他に言うことないんですか?」
「喉が渇いた。」
かなりのマイペースなのか、それとも頭の打ちどころが悪かったのか。その答えは、彼の次の言葉が証明していた。