僕等の法則

一哉は今でも忘れない。

「ねぇ、一兄ちゃん。」
夕日が沈む頃、二人は家の近くの丘の上にいた。

「ん、どうした?」



「一兄ちゃんは…殺し屋さんになるの?」


幼いさくらでも自分の父親の仕事くらい分かっていた。


「急にどうしたんだよ。」

小学3年生になった一哉にも質問の意味が分かっていた。


「一兄ちゃんは怖くないの?」

さくらが真剣な眼差しで聞いていた。

少し間を空けて一哉は答えた。
< 23 / 43 >

この作品をシェア

pagetop