僕等の法則

「さぁね。でも僕の北村家は代々昔から瀧川家に仕えているから、さくらはどうなの？」


さくらはゆっくりと答えた。


「私ね…殺し屋さんにはなりたくないの。」

一哉は黙って聞いていた。

「でもね…でもね、皆がなりたがらないから…さくらがならなくちゃならないかもしれないの。」


さくらの声は震えていた。

その時ずっと黙って話を聞いていた一哉が口を開いた。

「大丈夫。今は僕…弱いけど、いつかさくらよりも強くなる。そして…
何があっても僕がさくらを守るから。」

「…うん！ありがとう、一兄ちゃん。」

この言葉は一哉にとったら一大決心をした告白だったのだ。

しかしさくらは一哉をお兄ちゃんとしてしか思えなかった為本当の気持ちは伝わらなかった。

しかしさくらには一哉の優しさが一番嬉しかった。




この時はさくら本人も一哉も

将来、さくらがあれだけ嫌がっていた
──殺し屋
を自分から受け入れてやっているなんて




誰も思ってもいなかった