僕等の法則
さくらは屋上に居た。

ポケットから携帯を取り出しある処へ電話を掛ける。

─ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

『はい』

｢さくら ID901｣

『…さくらさん、どうされましたか？』
電話の相手はオペレーターの奈々瀬という女だった。
｢昨日の任務内容がマスコミに広がっている。｣
『まぁ』
奈々瀬は少しだけ反応した。

｢以上報告だから。｣

『了解しました。』
さくらは電話を切った。
空は嘘つきだ。
青い晴天を装いながら雨雲が出てくる。
｢…傘持ってたっけ。｣
独り言を言うとさくらは教室へと戻った。


何とか教室に戻り何事も無かったかのような振る舞いをする。

｢どうしたん？あんな急いで｣
そう心配そうに声を掛けて来たのはさくらの後ろの席に座る井上愛理。
彼女はこの学校で唯一関西弁を使う。

そして愛理もさくらと同じ──組織の一人である。
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表紙・目次

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