青野君の犬になりたい
「もう私には手が届かないわ。でもカンナさんならお似合いだと思う」
くたりとうなだれると「なにそれ? 七海の気持ちってその程度?」と睨まれた。
カンナさんは目はまさかの本気で怒っている。
「もちろん好きだけど私4番目だし、カンナさんみたいにきれいで青野君のことを思っていて、動物のことも大好きで、優しくて、ついでにお金持ちの完璧な人ならあきらめもつくっていうか、カンナさんだったら青野君も幸せになれるんじゃないかなって」
「4番目とかお金とか、関係ないでしょ。本当に好きだったら絶対に青野君を離さないっていう気持ちでいなくちゃ」
いや、怒っているというよりなぜか私を励ましている。
「それならなんでカンナさんは私を応援してくれるの?」
「だからさっき、協定結ぼうって言ったじゃない。私は他にも彼がいるから青野君を縛ることはできないけど、青野君のこと、好きなんだよね。だから青野君のことを本気で好きで幸せにしてくれる人とつきあってほしいんだよね」
勝手な言い分だけど、カンナさんらしいし、好きな人に幸せになってほしいという気持ちは同じだった。
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