青野君の犬になりたい
そこで青野君が話を止めたので、部屋がしんと静まり返った。
腕を組み、何か考えている。
私はソファの隣に座るその青野君の横顔を見つめた。
淡く茶色がかかった瞳に吸い込まれそうで、目を伏せる。
そして青野君が次に放った言葉に私は呼吸が止まるほど驚いた。
「葉山さんのことずっと気になっていたんだ」
「うそ……」
「でも葉山さんを見ると詩織を思い出して、そんな気持ちで近づくのはいけない気がしてた。それに恋はしないことにしていたしね。だけどお人好しで、頑張っているけど頼りなくて、凪いだ風のように笑う葉山さんのこと、気づいたら好きになっていた。好きになるほど放っておけなくて、だからせめて同僚としてなるべく近くにいることにしたんだ。それなのに―――」
「私が同僚の関係を飛び越えて接近しちゃったのね」
青野君が淡い笑みを向けて頷いた。
腕を組み、何か考えている。
私はソファの隣に座るその青野君の横顔を見つめた。
淡く茶色がかかった瞳に吸い込まれそうで、目を伏せる。
そして青野君が次に放った言葉に私は呼吸が止まるほど驚いた。
「葉山さんのことずっと気になっていたんだ」
「うそ……」
「でも葉山さんを見ると詩織を思い出して、そんな気持ちで近づくのはいけない気がしてた。それに恋はしないことにしていたしね。だけどお人好しで、頑張っているけど頼りなくて、凪いだ風のように笑う葉山さんのこと、気づいたら好きになっていた。好きになるほど放っておけなくて、だからせめて同僚としてなるべく近くにいることにしたんだ。それなのに―――」
「私が同僚の関係を飛び越えて接近しちゃったのね」
青野君が淡い笑みを向けて頷いた。