青野君の犬になりたい
ああ、今日は何度も胸を刺される日だ。
告白した相手に何人もの彼女がいると知り、
付き合ってもいいけど付き合って何をしたいかと聞かれ、
お前の片思いだとはっきり告げられる。
なんかズタズタだ。
結局、青野君は私と付き合う気持ちなどないのだ。
私は自分のみっともなさがつらくなってテーブルに目を落とした。
そのとき、ふいに細くてしなやかな指が私の顎に触れた。

「4番目の彼女にようこそ」
あっという間に引き寄せられて唇が重なった。

わずか2秒ほどの接触。
それは痺れるほどに甘かった。
もう止まらない。
私は青野君に堕ちていく。
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