青野君の犬になりたい
「うーん」
「なに唸ってんの?」
「オンリーワンへの道は遠いなと思って」
英子が私のグラスにお酒を注いでくれる。
そして「遠くてもさ、着けばいいけど」と、心配そうな顔をする。
「確かに……って、よくそんなひどいこと、さらりと言えるわね」と抗議すると、
「間違ってるかしら?」と確認され、「間違ってません」と素直に認た。
彼女が言うことは正しい。
泣きたいほどに正しい。
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