青野君の犬になりたい
青野君はこのまままっすぐ私を送って帰ろうとしているのだ。
でも、もしかしたらうちに立ち寄るつもりなのかもしれない、と望みを託す。
“家、片付いてたかな?”などと考えながら、「白川神社の信号を右」と、答えた。
車は渋滞で止まることもなく、あっという間に白川神社の交差点を曲がる。
うちまで数メートルの間にコインパーキングがあり、もしうちに来るのなら、
ここに車を止めればいいと、空きスペースまで目で確認した。
マンションの前で車が止まる。緊張が私の中にだけすっと走る。
「お疲れ様」
けれど青野君にシートベルトを外す気配はない。
私はシートベルトをはずしながら少し勇気を出してみることにした。
「今日は本当に有難う。助かっちゃった。お茶でも飲んでいかない? あ、ビールもあるよ」
何気なく軽く誘うふりを装ったけど、早口になっていた。
まるでカラカラ回るルーレットの玉がどこに止まるか見つめるように、私は青野君の返事を待った。
でも、もしかしたらうちに立ち寄るつもりなのかもしれない、と望みを託す。
“家、片付いてたかな?”などと考えながら、「白川神社の信号を右」と、答えた。
車は渋滞で止まることもなく、あっという間に白川神社の交差点を曲がる。
うちまで数メートルの間にコインパーキングがあり、もしうちに来るのなら、
ここに車を止めればいいと、空きスペースまで目で確認した。
マンションの前で車が止まる。緊張が私の中にだけすっと走る。
「お疲れ様」
けれど青野君にシートベルトを外す気配はない。
私はシートベルトをはずしながら少し勇気を出してみることにした。
「今日は本当に有難う。助かっちゃった。お茶でも飲んでいかない? あ、ビールもあるよ」
何気なく軽く誘うふりを装ったけど、早口になっていた。
まるでカラカラ回るルーレットの玉がどこに止まるか見つめるように、私は青野君の返事を待った。