青野君の犬になりたい
私は思い切り首を振る。
「違うの。すごく嬉しくて。いいおうちが見つかって茶太郎が幸せになれるって思ったら嬉しすぎて泣けてきちゃった」
またあふれてきた涙を慌てて拭うと、カンナさんが長い腕で私を抱きとめた。
「チャー君を大事にするから。うちはママもパパも人間にはきついけど動物には優しいから安心して。ブチもね、千葉の方で保護された犬なんだよ。とってもいいこだから、きっと仲良く楽しくやっていけると思う」
青野君の彼女にハグされるというこの不思議なシチュエーションのなかで、どうして青野君はこんなに素敵な人に熱中しないのだろうかと考える。
カンナさんの腕の中で、ブチに代わって有難うと言う。
会ったばかりなのに、青野君の彼女なのに、嫉妬よりも好意が勝る。
こんな女性でも熱くできない青野君の心。
青野君のオンリーワンの存在になりたい、なんていう意気込みは、ほろほろと彼女の腕の中に吸い込まれていった。
「違うの。すごく嬉しくて。いいおうちが見つかって茶太郎が幸せになれるって思ったら嬉しすぎて泣けてきちゃった」
またあふれてきた涙を慌てて拭うと、カンナさんが長い腕で私を抱きとめた。
「チャー君を大事にするから。うちはママもパパも人間にはきついけど動物には優しいから安心して。ブチもね、千葉の方で保護された犬なんだよ。とってもいいこだから、きっと仲良く楽しくやっていけると思う」
青野君の彼女にハグされるというこの不思議なシチュエーションのなかで、どうして青野君はこんなに素敵な人に熱中しないのだろうかと考える。
カンナさんの腕の中で、ブチに代わって有難うと言う。
会ったばかりなのに、青野君の彼女なのに、嫉妬よりも好意が勝る。
こんな女性でも熱くできない青野君の心。
青野君のオンリーワンの存在になりたい、なんていう意気込みは、ほろほろと彼女の腕の中に吸い込まれていった。