青野君の犬になりたい
タパスをつまみ、ワインを2杯ずつ飲み終わった頃、「そろそろ帰らない電車がなくなるね」という青野君の言葉を合図に店を出た。
「駅まで近いから一人で帰れる」と言うと、「この道、痴漢の名所だから彼女をひとりで歩かせるわけにはいかないよ」と、私の手を握った。
「リード替わり?」と聞くと、「今は手」と笑う。
駅の明かりが見えてきた。
ふいに立ち止まった青野君が手を握ったまま「キスしよう」と言って立ち止まる。
しっとりとした唇が静かに私の唇を覆う。
この優しいキスに少しでも愛情の欠片が入っているのかな。
それとも空っぽの、優しいだけのキスなのかしら。
それでも、それでもいいと思えるほどに青野君のキスはとても甘い。
「駅まで近いから一人で帰れる」と言うと、「この道、痴漢の名所だから彼女をひとりで歩かせるわけにはいかないよ」と、私の手を握った。
「リード替わり?」と聞くと、「今は手」と笑う。
駅の明かりが見えてきた。
ふいに立ち止まった青野君が手を握ったまま「キスしよう」と言って立ち止まる。
しっとりとした唇が静かに私の唇を覆う。
この優しいキスに少しでも愛情の欠片が入っているのかな。
それとも空っぽの、優しいだけのキスなのかしら。
それでも、それでもいいと思えるほどに青野君のキスはとても甘い。