青野君の犬になりたい
彼女を無視してそのまま立ち去ろうとする青野君に「ねえ、待ってよ。なんで次々新しい彼女作っちゃうの?」とたたみかける。
これからデートだというときに、青野君と他の彼女の痴話げんかが始まりそうでげんなりしたが、そうはならなかった。
「ねえ紗子、いやなら――」と、青野君が静かに言い始めると、次に続く言葉を遮るように慌てて「ま、いっか。とりあえず行こう」と、紗子さんは青野君に腕をからめて強引に引っ張っていった。
青野くんに腕を掴まれていた私もつられて引っ張られる。
ちょ、ちょ、ちょっと。
「あのさ、今日は彼女との約束なんだから遠慮してよ」
青野君の言葉にホッとした一方、彼女に対してあまりに冷たい言い方に少し同情もした。
けれどすぐにそんな必要がなかったことに気づく。
紗子さんはこれっぽっちもひるむことなく「私、遠慮とか嫌いだも~ん」と言ってそのまま青野君の腕を組んで歩き出したのだ。
「2番目の彼女には気を付けて。ルックスは愛らしいけどチョーアクだから」
――カンナさんの言葉に今さら頷く。
これからデートだというときに、青野君と他の彼女の痴話げんかが始まりそうでげんなりしたが、そうはならなかった。
「ねえ紗子、いやなら――」と、青野君が静かに言い始めると、次に続く言葉を遮るように慌てて「ま、いっか。とりあえず行こう」と、紗子さんは青野君に腕をからめて強引に引っ張っていった。
青野くんに腕を掴まれていた私もつられて引っ張られる。
ちょ、ちょ、ちょっと。
「あのさ、今日は彼女との約束なんだから遠慮してよ」
青野君の言葉にホッとした一方、彼女に対してあまりに冷たい言い方に少し同情もした。
けれどすぐにそんな必要がなかったことに気づく。
紗子さんはこれっぽっちもひるむことなく「私、遠慮とか嫌いだも~ん」と言ってそのまま青野君の腕を組んで歩き出したのだ。
「2番目の彼女には気を付けて。ルックスは愛らしいけどチョーアクだから」
――カンナさんの言葉に今さら頷く。