青野君の犬になりたい
第2章

1番目の彼女はどこ

翌日の朝、見慣れない番号からの着信に警戒しながら電話に出ると、「おはよう!」という快活な声が響いた。
「ねえ、今日うちに遊びに来ない?」
誰だかわからないうちに誘われ戸惑ってしまう。
「ブチとチャー君に会いにおいでよ」
「あ、カンナさん?」
「そうよ」
当たり前じゃないの、みたいな感じで言う。
そういえば前に会ったときに連絡先を交換したことを思い出した。
「青野君も行くの?」
彼女が私だけ誘うわけがない。
「さっき電話したんだけど出ないの。まだ寝てるのかなあ」
「そうね、週末だし……」

まだ9時過ぎなのでその可能性は大いにある。
もし彼女と一緒なら、なおさらだろう。
昨晩の続きを想像して、朝からブルーな靄が脳をおおっていくようだ。

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