青野君の犬になりたい
「それで?」
「草汰と話すために草汰のスマホに電話しているんだけど、って言ったら、『今シャワー浴びてるから出られないわ』って」
「なんか、生々しいですね」
また想像力が活発になり、ブルーの靄が一層濃くなり降り注ぐ。
「嫌な感じでしょう。『何か用?』って聞くから―――ていうか、なんで彼女に草汰への用事を話さなくちゃいけないのよ!」
そのときのやり取りを思い出して怒りが舞い戻ってきたらしいカンナさんは、目を細め、テーブル越しに体をぐいと乗り出してくる。
「確かに。で、なんて答えたの?」
「デートの誘い、って答えたら『めんなさい、これから2人で出かけるから無理だわ』って切られた。腹立つー」
青野君を巡る女2人の戦い。そんな話を聞いている私。実に不思議なシチュエーションだ。
「私もね」と、東京タワーに紗子さんが登場した時の様子を語った。
「早速、彼女の洗礼をうけたのね。ね、チョーアクでしょ? 私のときにも突然現れたのよ」
カンナさんは大げさに眉をひそめた。
「草汰と話すために草汰のスマホに電話しているんだけど、って言ったら、『今シャワー浴びてるから出られないわ』って」
「なんか、生々しいですね」
また想像力が活発になり、ブルーの靄が一層濃くなり降り注ぐ。
「嫌な感じでしょう。『何か用?』って聞くから―――ていうか、なんで彼女に草汰への用事を話さなくちゃいけないのよ!」
そのときのやり取りを思い出して怒りが舞い戻ってきたらしいカンナさんは、目を細め、テーブル越しに体をぐいと乗り出してくる。
「確かに。で、なんて答えたの?」
「デートの誘い、って答えたら『めんなさい、これから2人で出かけるから無理だわ』って切られた。腹立つー」
青野君を巡る女2人の戦い。そんな話を聞いている私。実に不思議なシチュエーションだ。
「私もね」と、東京タワーに紗子さんが登場した時の様子を語った。
「早速、彼女の洗礼をうけたのね。ね、チョーアクでしょ? 私のときにも突然現れたのよ」
カンナさんは大げさに眉をひそめた。