【短編】バレンタインのお返しに。
先輩は越川先輩にチョコを渡す。
わたしはいつもどおり、収穫もなく、ひとりアパートで泣くんだろう。
それがわかっているのに、先輩と今までどおり普通に話すことなんて、できないよ……。
好きと気づいて、失恋が決定したら、その次はどうしたらいいの?
「わからないよ……」
「なにがわかんねーの?」
ぼんやりと考えていると、突然ひとり言に返ってくるものがあって、慌てて「おはようございます!」と後ろを向けば、そこには、瀬戸内先輩がいた。
いつもなら声でわかるのに、今日は頭が回らなくて、わからなかった。