【短編】バレンタインのお返しに。
朝から頭ががんがんと痛んでいたけど、大事な会議があるから休めなくて。
朝の会議が終わっても、早退したいと言えなくて、頭痛薬で頑張っていた俺に、千が不安そうに聞いてきた。
「お仕事わたしが変わるので、早退してください」
「……べつに、平気だし」
強がってしまうのが俺の悪いところ。
でも、千はただでさえたくさんの仕事を受け持っているのに、俺の仕事まで押しつけるわけにはいかねーだろ。
俺は、先輩だし。
「じゃあ、帰ってください」
「は?」
「心配で、仕事捗りません」