冷徹ドクター 秘密の独占愛
「よし……沖縄決定だね」
「いやいやいや! 何でそうなるの!」
「やっぱ美ら海水族館は外せないよね」
「だから! ちょっと待った!」
「何よ、沖縄旅行賭けてもいいって言ったの千紗じゃん」
「だから、別にどうにかなったわけじゃないし、事故的なものだし」
そう言うと、華世は冷やかしを含んだ眼差しで「何が事故だよ」とニヤリと笑ってみせた。
「あのねぇ、そんな事故がどこにあるわけ」
「だって……」
「この間も言ったでしょ? 千紗のこと好きなんだよ。そう考えたら、あのペンのことも今回のことも納得いくじゃん」
ふんふん頷きながメロンソーダの入ったグラスを手に取る華世。
吸い上げたストローが緑色に染まるのを見つめながら、一瞬ぼんやりとしてしまう。
でもすぐにハッとして、「ないないない!」と否定した。