冷徹ドクター 秘密の独占愛
「え、俺の番号消しちゃったの?」
「そうだけど? だって、もうかけることもないし」
「マジか。じゃあ登録し直しといてよ」
「嫌だよ。何でそんなこと……」
あんなにはっきり拒絶の姿勢を見せたっていうのに、まだめげずに話の場を設けようとしていることに驚ける。
無神経というか、もしかして私、相当舐められてる?
「あ、じゃあさ、今晩仕事終わったら会おうよ」
「はぁ? だから、何で」
「いいじゃん、飯くらい付き合ってくれたって」
「この間も言ったけど、もう個人的に会う気もないし、仕事中にこういうのも迷惑だから」
「だから、ちゃんと話したいから外で会おうって――」
「DLさん」
どうにかして約束を取り付けようと粘る慎に困り果てていた時、消毒室の入り口から割って入るように声が掛けられた。