冷徹ドクター 秘密の独占愛


あまりにサラッと言われて、凄いことを提案されているのに反応が鈍ってしまった。

冗談?と疑ってみるや否や、律己先生が冗談を言うキャラでも、この状況でそんなふざけたことを言うわけもないと思い直す。

現に、いつも診療室で目にしている真面目な表情で私の返事を待っている。


「いや、でも、そこまでご迷惑をお掛けするわけには」

「警察には明日行けばいい」

「そうですけど……でも」

「それともあれか、あのDLの営業のとこにでも転がりこむ手段があるのか」

「えっ?!」


律己先生の口からまたしてもサラッと出てきた慎の存在に今度は絶句した。

このタイミングでそのことを出されるとは思わぬ落とし穴。

というか、じゃあやっぱりあの昼休みの話を聞いてて……。

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