冷徹ドクター 秘密の独占愛


私にそんなことを言われた律己先生の顔から、薄っすら浮かんでいた笑みが消えていく。

勢いに任せて思いのままを口にしてしまったけど、かなり大それたことを言ってしまったと我に返った。

でも、後悔が生まれるよりも先に律己先生の手が両肩に触れる。

ピクッと体を揺らした私に、長身の律己先生が覗き込むように顔を近付けた。


「それ、本気で言ってるのか?」


私の言葉を確かめるような、真剣な眼差し。

静かにコクリと頷いた私に、律己先生の端正な顔が近付く。

破裂しそうな胸の音を聞きながら見た律己先生は、奥二重の綺麗な目に私をしっかり映していた。


「そんなこと言われたら……抑えがきかなくなる」


声を聞き終える頃には吐息を感じるほど顔が近付き、少し強引な感じで唇を奪われていた。

過去二回とは違う少し深いキスは、私の体を壁際へと追い詰める。

後頭部が壁に当たりゴチっと音を立てると、律己先生は顔を離し私の頭をすぐさま押さえてくれた。

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