冷徹ドクター 秘密の独占愛
「先生とは、いつからお付き合いしているの?」
「えっ! いや、あの、それは」
「一緒にスーパーに行くってことは、通い妻してるってことよね? あっ、もしかして同棲してるとか?」
関さんの質問攻めは、女子会で盛り上がる恋バナ好きな若い子のよう。
パーテーションはあるものの、左右のユニットでは牧先生や鮎川先生が治療をしていて、森さんと中田さんがアシストについている。
聞こえたらえらいことだ。
この間ばったりスーパーで会ってしまってから、次の予約の日は恐怖だなと思っていた。
案の定、やっぱり話題に出されてしまった感じだ。
「あの、あれにはちょっと色々と事情がありまして……」
「え、お付き合いはしているのよね?」
「えっとー……何と言いますか……」
律己先生には好きだと言ってもらった。
私だって、いつの間にかどんどん惹かれて、今は律己先生のことが好き。
だけど……今の状態は何というのだろう?
付き合うとか付き合わないとか、表立ってそういう話は交わしていない。
そもそも、『じゃあ、付き合いましょう』みたいなことって、話し合って始まるものなのだろうか……?