冷徹ドクター 秘密の独占愛


律己先生はアシストなしでレジン充填をサクッと終わらせた。

充填も照射も形成も、普段と変わらぬ速さでこなしていて、改めてその技術と器用さに驚かされてしまった。


「噛んで。高さ、大丈夫だな?」

「あ、はい。大丈夫です」


咬合紙ホルダーがトレーに戻される音がすると、またミラーが口の中に入ってくる。


「……ついでに他もチェックしておく」


喋れない代わりにコクコクと頷く。

再び目を瞑って大きく口を開くと、ミラーが頬粘膜を排除した。


「さすが衛生士だな。文句のつけどころがないプラークコントロールだ」


律己先生はチェックをしながら感心したように私の口の中を褒めてくれる。

なぜか急にクスッと笑われて、反射的に目を開いた。

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