冷徹ドクター 秘密の独占愛


近距離で目が合って、パチパチと目をしばたたく。


「いや、可愛い歯だなと思ってな」

えぇっ?!


目元に笑みを浮かべて、律己先生はそんなことを言い出す。

確かに昔から、相互実習なんかで友達に歯を見せると、“歯が小さくて可愛い”なんて言われることがあったけど、律己先生にまでそんなことを言われるなんて思わなかった。

落ち着いていた恥ずかしさがまた一気に膨らんでしまう。

言葉を発せず仕方なくぎゅっと目を閉じていた。

口腔内からミラーが抜かれると、隠すように即口を閉じる。

カチッと顔の上の方でライトがオフにされ、グローブを外す音がし、ユニットが起こされるのをじっと待った。


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