冷徹ドクター 秘密の独占愛
訪れた先は、駅から徒歩二、三分ほどの住宅地の中にある三階建ての建物だった。
駅前の通りから少し入ったところで分かりづらいかもと言われていたけれど、大通りからも見える医院の看板で迷うことはなく到着できた。
「住まい兼、診療室だからね」と、電話で説明された通り、一階が住まい、二階が医院という造り。
三階も自宅になるのかもしれない。
建物は……それほど新しくはない。
でも、相当儲かっているのがわかる豪邸。
自宅側の立派な門から覗くと玄関扉までは遠く、その手前には日本庭園が広がっていた。
池でもあるのかチョロチョロと水の音が聞こえる。
患者さんが訪れる医院の入り口に向かってみる。
二階の診療室に上がるには外の階段を使うか、自宅兼医院の造りには珍しくエレベーターもある。
車椅子や年配の患者さんも通えるように配慮しているのだろう。