カミレンジャー! その5
「ピンク、『今日の朝』って言うより、『今朝』って言ったほうが、格好がいいぞ。」

 レッドのどうでもいい忠告は無視された。

「誘拐の脅迫状って、普通職場に届くものなのかな・・・・?」

 恵の発言は、とっても的を射抜いていたが、今はそれを追及するときではないような気がする。

「大変だわ!!カミレンジャー始まって以来の、けっこう真面目っぽい事件だわ~!!」

 隊長が叫ぶ。

 やっぱり、隊長も今までの事件がふざけすぎだと思っていたんだ。

 ・・・っていうか、隊長、ついさっきまで自分も誘拐するとか言ってましたよね?

 まぁ、良いですけど・・・。

「それで、脅迫状にはなんて書いてるんですか?」

 ピンクにたずねるが・・・・

「う~ん。私、今酔ってるせいか、文字がゆがんで見えて、よく読めないのよね・・・・。」

 ・・・・・返す言葉もゴザイマセン・・・・・。

「私に貸してみろ!!」

 レッドが勇ましく、ピンクから脅迫状を剥奪し、読み上げようとするが・・・・。

「・・・・・・・・・あ・・・・・・・お・・・・・・・・やま・・・・・・・の・・・・・・・・ばか・・・・・・・・・。」

 ちょっと待て!!

「レッド・・・・・もしかして、漢字読めないんですか?」

 恵のツッコミ。

 いや、それ以上に俺としてはどうしても、その読み方に不自然さが見えるのだが・・・・。

「なんだと!漢字とカタカナが読めずに何が悪い!!!」

 ・・・・・悪いだろう・・・・・。少なからずカタカナは読めようよ・・・・。

 てか、本当にそう書いてあったのか?

「あ、逆切れだ。」

 恵よ、だからどうしてもお前はいつも冷静なんだ。

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