the bonds of friendship
道端に置かれた花束。
寂しそうに微笑んで風に揺られている。
大好きな煙草さえもう吸えないのに
花束に寄り添っている。
カンカンカン
警報機の音。
遮断機が降りる。
ドクドクドク
警報機の音につられてか心臓の鼓動が早まる。
「ハァハァハァ…。」
苦しい呼吸。
青ざめていく雛乃の顔。
フラッと
中に浮かぶ感覚
目の前が歪むと地面へ倒れこむ。
「無理するなや。」
雛乃の身体を支える博貴の姿。
「…無理…無理なんか…してない…。」
力の抜けた身体。
激しい息づかい。
視線さえおぼつかない。
「嘘つくなや。その身体の何処が無理し
てへんっていうんや。」
「…ここに…ここに来たら…何かが変わ
るんじゃないかって…。」
泣き叫ぶ雛乃。
必死に博貴の腕を揺さぶる。
「しっかりしいや。章大はもうおらん
ねん。 あいつは死んだんや。」
「嘘や~。章大~。」
気が狂ったように章大の名前を呼ぶ。
この世にいなくなったこと
頭では理解しているつもりでも
心はついていけず
ただただ
章大の温もりを探し涙する雛乃。