the bonds of friendship
静まりかえった病室。
チクタクチクタク
時計の音が響く。
亮の目に映し出されるぼやけた景色。
心配そうに亮を見つめる瞳。
「…ここは…。」
腕に繋がれた点滴。
「病院や。」
亮の問いに答える裕。
「心配させるなや。」
「ほんまやで。」
信五に続き声をかけるすばる。
急に顔を歪めると
腕の点滴を引っ張り抜く亮。
「何してん?」
驚く忠義。
「帰る。」
ベッドから起き上がろうとする亮。
「帰るって?無理するなや。」
慌てて亮を止める忠義。
「俺はどこも悪くなんてないんや。せやから帰るねん。」
狂ったように声をあげる亮。
「落ち着けや。落ち着け言うてるやろ。」
暴れる亮を抑えつける裕。
「帰るねん。こんなとこおりたない。おりたないねん。章大の死んだ病院に何ておりたないねん。」
叫び暴れる亮。
「わかった。ほな帰ろう?」
見かねたすばるが亮へと手を差し出す。
「お前、何ゆうてるん?」
驚く信五。
「亮が帰りたいゆうてるねん。」
「せやけど今、帰らす訳にはあかんやろ。」
「二人ともやめろや。」
信五とすばるの間を割ってはいる。
バッシャン。
点滴の倒れる音。
「亮。亮。亮。」
倒れかかる亮を受け止める裕。
「しっかりしぃや。」
頭を抱える亮。
「痛むんか?」
心配そうに声かける忠義。
「…帰る…帰るねん…。」
荒い呼吸。
青ざめていく顔。
薄れていく記憶。
「亮。亮!!」
亮の名を呼び続ける裕。
ドアの開く音。
「先生つれて…亮?どないしたん?」
裕に抱えられ気を失っている亮。
「患者をベッドに。君達は外に出て。出るんや。」
冷静に指示をとばす意思。
病室から締め出す看護士。